PROJECT STORYプロジェクトストーリー
STORY | 03
営業部 城北営業所 所長代理
2003年入社 産能短期大学 卒業
中途入社から16年。
中村は、以前の会社でも営業・販売の仕事をしていた。
「ユニットで16年を過ごすことができたのは、その一つ一つの仕事の面白さが他にない特殊なものだったから」という。
例えばドラマであるビルが映ったときに「ああ、あの現場に納品したな」「どんな営業トークをしたっけ」と思い出が駆け巡るからだ。
時には地下鉄の補修工事に必要な品物を納品するため、終電後から深夜を経て、始発まで作業を手伝ったこともある。
また、先の3・11、東日本大震災の復興時には、仮設住宅建設に関わる安全関連商品を納品した。
製品の数は確保できていたが、寸断された道をどの運送会社がいち早く輸送できるのかを見極め、託し、仮設住宅建設を担う会社へ届けるかを見守る日々が続いたと言う。
それだけ安全を求める現場は幅広く、日頃見聞きしない事に触れられるのもこの仕事の醍醐味なのだという。
今、中村は、日本でも有数の通販会社へ商品を提供する部署にいる。
これまでに営業の最前線で培ったスピード感覚を、オフィス内のBtoB営業で“体現”している。
この大手通販会社以前にも、大手ゼネコンが利用する共同購入のためのサイトに商品提供をしてきた。
カタログを持参し、商品掲載を依頼するのがこれまでのやり方だった。
この会社は今も存在するが、大手通販会社の子会社となったことにより、ユニットの商品もこの大手通販会社のカタログやサイトに掲載されるようになった。
「これまで、大手ゼネコンが利用する共同購入用商品として取り扱ってもらっていたことが評価されたのだと思う。この”前身”とも言えるお付き合いを頂いていたからこそ、
一般の企業にもカタログという形で入り込むこの大手通販サイトにも信頼をしてもらえたのかもしれない」と中村は言う。
だが、このきっかけを本来の意味での信頼につなげるには、今までのやり方は通用しなかった。
その通販会社に、今現在13000品目近い商品を提供している。
これら商品群の中では、熱中症対策商品や防寒商品などの季節商品も少なくない。
季節により「入れ替え」が発生するのだ。
通販サイトへ掲載するということは、この入れ替えもデータで行う。
商品画像や商品スペックなど、文字通り「1日1日の更新作業」なのだ。
更には商品の改良版が出ることも、廃盤品が出ることもある。
この場合もその情報がはいった瞬間にデータ送信を行うのだ。
これこそ、現場で身に着けたスピード感を”表現”するステージと言える。
受注もこれまでと全く違ったスタイルになった。
大手通販サイト経由で受注をするため、これまでにはないエンドユーザーが生まれたのだ。
多い時には1日に100件もの新規顧客のデータを入力しなければならない。
「こんな商品がこんなところに求められているのか、という不思議な発見を得た」というのだ。
地場の金物屋、病院、商店など、営業マンとして最前線では回らなかったであろう業種からのオーダーがあるのだ。
日本国内における安全に対する意識の高まりを、この通販会社も認識し、サイトでは「安全用品ショップ特設サイト」を設けている。
この特設サイトを見て、「ウチにもこれを設置すれば」と商品を求めるのだろう。
これまでのルート営業では、確かにこれら”安全を求めてはいるがそのニーズをどこで満たせばよいかわからない層”へのアプローチができていなかったのだと実感した。
安全・安心を得るための解決策を商品という形で提供できる自社の強みを、更に認識した瞬間でもあった。せっかく勝ち得た大手通信販売会社からの信頼―これを維持し、取り扱ってもらう商品を拡大するためにも、日々緊張感とスピード感を持ち仕事に臨むのがポリシーとなった。
「商品を持って現場に立ち入る時と同じ気持ち」なのだと言う。
営業マン時代、ルート営業をしていた時にも感じていた。
どれひとつとして全く同じ現場はない、全く同じ商品で安全を守ることはできない、と。
現場・顧客それぞれに求めるものは異なるのだ。
日々舞い込む、通販サイト経由の注文を見ながら思う。
このお客様はどういった環境でこれを使用するのだろうか。
ついついこう考えてしまうのも、「職業病かもしれない」と笑った。
営業の仕事は、断られてナンボという世界だと言われ続ける。
だが、中村は断言する。
「ユニットの商品についてはそんなことはない。確かに競合他社はあるが、安全そのもののニーズは必ずある。
不要な物を売りつけている訳ではない。
どうやって興味を持ってもらうか、ただそれだけだ」。
その商品の持つ魅力を正しく理解し、丁寧に説明できればよいという。
安全を求める人がいる限り、商品で人々を守るという信念にどれだけ忠実であることができるのか。
人としてあるべき誠実さが、現場で求められる”人物像”なのかもしれない。